●夢の整合性
子供だった僕は友人と倉庫の中に忍び込んだ。
薄暗い中、懐中電灯を照らして、倉庫の中を探検した。
倉庫の中には古いタンスやら棚やら、茶箱なんてのも山積みになっている。歴史を感じる風呂敷包みの何かもあった。
面白かったので、色々懐中電灯をかざして見て回った。
「ちょっと、○○来てみなよ」
「何?」
友人が何かを発見したらしく、僕を呼ぶ。
「そのさ、キセキを止めてよ」
「キセキ?」
何を言っているのか良く分からなかった。
「あぁ、そのままでいてくれるなら、それでいいや」
「?」
良く分からないが、僕はおとなしくしながら、友人に近づいた。
「これ見てよ」
友人が床に広げた布は藍染の布で、なにやら行書体で文字が書かれている。
友人がその文字を下から逆に照らしていった。
どうやら逆さ読みすると面白いものらしい。
「〝や〟、〝ん〟、〝も〟、〝金〟。「かな」、「かね」かな?」
僕は最後の文字をどう読むの考えていると――。
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というのが、僕がさっき見た夢です。途中で起きた。
ちょっと余りにも眠いんで、小一時間ばかり昼寝して見た夢がこれ。
友人も昔からの知り合いが出演してました。
これには恐ろしい事があるんです。
・僕にはこんな記憶も場所も知らない。よって創作である。
・これが僕の夢である事。すなわち全部僕が脚本を書き上げ、そのうえで一人芝居をしている。
これが大前提。
そこで起きた後に整理して、ビックリした事。
・途中の台詞「キセキ」を止めてよ。という言葉の意味。
これは起きた直後から考えた結果、僕が懐中電灯で倉庫の中をグルグル照らしている光の「軌跡」を止めて欲しいという事らしい。
この驚いた事とは「僕自身が理解出来なかったにも関わらず、良く考えると腑に落ちる」という事。
場当たり的な適当な夢かと思えば、起きて熟考すると整合性を感じるという不思議。
もう一つが「やんも金」。
これも夢の中で一つ一つゆっくりと照らされ、一体なんて書いてあるのだろうと不思議に思ってた。
で、起きた後冷静に考えると、正しい読みをすると「金もんや」、つまり「金物屋」の布だったらしい。
それを友人は逆さ読みした結果、なにかしらの面白さを感じたらしいが、起きてしまった今、その謎は分からない。
たぶんここで金物屋が出てきたのは、僕が小さい頃かっぱ橋に近い所に住んでいたとか、そういう要素があるんじゃないかと思う。
それにしても、一文字一文字、夢の中で適当に綴られたはずの文字が、起きて冷静に考えるとちゃんとした単語になってるあたり、不思議に感じる。
実際、この手の夢はたまに見たりする。
夢の中でまったく覚えが無い単語や、その意味を教えてもらい、起きてからウィキペディアで調べると同じ意味だったり。
ここらへんはきっと以前テレビで見た深層の記憶が再燃した、とかで説明出来そうな気はする。
とりあえず、そんな感じの夢メモ。