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2007年06月23日

●ハルカ 天空の邪馬台国

読了。

この小説は知る人ぞ知る、知らない人はさっぱり知らない、色々といわく付きの一品です。
かの有名なRPG天外魔境。作者さんはその監督の桝田省治さん。
天外魔境はPCエンジンにて発売されたRPG。
当時三部作と銘打ったものの、諸般の事情により三作目が頓挫。
その後PS2にて桝田省治さんが関わらない形で3が発表されました。
この小説はその頓挫してしまった桝田版天外魔境3をベースに作られた、というファン待望、垂涎、歓喜の一品なわけです。僕もそんなファンの一人。

読んでの簡単な感想。
楽しかった。
いや、もうさ「面白かった」じゃないですよ、「楽しかった」。
僕の大好きなジパングが桝田省治さんの手で復活した。
あの空気を間違いなく僕は読みながら吸ってました。

「鏡」「九州」「火の勇者」。天外3の縛りともいえる要素を使いつつ、天外っぽい派手さはない作品。だけど天外、いやジパング。
おおらかで適当、合理的であり怠惰。僕が天外魔境をプレイしつつ感じたおかしな国のおかしな人々がこの本の中に確かにいました。
そして桝田省治さんお得意のエログロ。これに尽きる。
ある意味ライトノベルは「ライト」ゆえに過激な表現を極端にさける傾向があります。まぁ当たり前っちゃ当たり前ですが。さてとてそれを過量に入れるわけでなく、あくまで自然に適度に入れるのがうまかった。
必然的なエロさ。必然的なグロさ。
男と女が好きあってて体触らないのもおかしいし、剣持って戦争してるのに生首飛ばないのもおかしなもんですよね。
まぁ、それにしたって人が死にすぎな気はしましたがw
なんとなく人の死に様がおおいこの小説は、とてもゲーム的な感じがしました。
設定を「使う」のではなく「削っていく」タイプの話の作り方というかなんというか。うーん、表現が難しい。
そういや節々にPS2版天外3との共通点も見えて、同じベースを使ってるんだなぁ、とも思いました。
やっぱイヒカも関係してるのかー(何
キャラクターもいいキャラクターが多かったです。それぞれの醜さと美しさが際立ってた。とりあえず市松かっこいいよ、市松wあと辰穂はガチ。

文章自体も面白かった。
張政の語り口が軽妙でぐいぐい読んでしまいましたよ。

ただ、方々の感想で聞いていたけど、やっぱり終わり方はいまいち。
好評だったら続編、不評だったら終了。それぞれの余地を残したちょっとイマイチな終わりかたかも。
色々な伏線が残り、最終的にどうなったのかがほとんど曖昧。
あとがきと作者サイトによれば、天外3の前半イベント分を使い書いたとの事。
今後も続編の執筆が続くそうで、色々と期待。

とりあえず最終章のイラストが現実になるようなEDが見たいです。
むすばれないボーイ・ミーツ・ガールはボーイ・ミーツ・ガールじゃない!とは僕の名言。
ハルカと張政の姿を夢にでも見て、続編までの期間を潰します。

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